10年間負け続けたトレードの第4段階です。
会社の業績予想やファンダメンタルズを基にした株の選び方を勉強しただけでは、勝てるようにはならず、もっと別な方法を考えなければならないと思い始めました。
これまで、トレードの際にチャートを見ることはほとんどなく、「この赤とか青の混ざった折れ線グラフ的なものは一体何者? トレードには関係ないわ」と無関心でした。
そこで、一度チャートを使ってトレードしてみたら、道が開けるかもしれないと考えました。
ただ、チャートを使ったトレードとはいっても、ローソク足の意味や移動平均線などのテクニカルを勉強したわけでなく、あまりにもお粗末なものでした。当然勝てるようにはなりませんでした。
ドレード候補の株は、今までどおり、有名な会社をテキトーに選んでいましたが、その中からチャートを見て、実際に買う株と時期を選ぶようになりました。
どうやって選んでいたかは、下の二つのチャートを見てください。黄色い部分で買っています。


共通点が分かりますか…。そうです。いずれも、株価が高いところから大きく下がったものを買っています。逆張りです。
チャートAでは、株価が上がり始める前の安い価格に戻った辺りで、チャートBでは、下げ止まって株価が横ばいになっているところで買っています。
当時は、チャートを使って、こういった以前と比べて株価が安くなったものを探していました。
それはどういった心理からくるものなのか…
私は、「株価が下がっている」=「いずれまた高い株価に戻るから、今は割安でお買い得だ」と感じていました。非常に買いやすく、安心できました。
この逆張りの心理は、初心者にありがちなことではないでしょうか。
例えば、昨日298円で売っていたティッシュペーパーが今日198円で売ってれば、「安い。お買い得だ」と考えるのは自然なことでしょう。
物には、原価を基にした適正な販売価格というものがあり、私たちは、それと比較して「高いから買わない」「安いなら買う」といった判断をして生活しています。

それに対して、株価は、ファンダメンタルズや投資家の人気など、様々な要因が絡み合って決まるため、適正な株価というものがない、というか、わかりません。
それなのに、私は、日常生活で物を買う感覚をトレードの世界に持ち込んでいました。
トレードには、この人間らしい感覚が邪魔になります。
下げ続けた株価は、いずれ反転して上げ始めるケースがほとんどとは思いますが、高い頃からみて安くなったという「値ごろ感」だけで買っても、うまくいかないことが多いと思います。
いつ反転するかを見極めるのが簡単ではないからです。
逆に、株価が上がっているものは買いませんでした。というか買えませんでした。
私は、「株価が上がっている」=「割高なので、今は買わない。こんなに高いと、そろそろ急落しそうで怖い」と感じていました。
非常に買いにくいのです。
この感覚では、順張りのトレードはありえません。
チャートCの株は、ある程度のロスカット幅を取れば、どの時期に買っても儲かるように思えるのですが、こういった株は絶対に買えませんでした。

悔しいですが、私が選んだ「割安でお買い得な株」は、さらに下がり続けていくものが多かったです。
逆に、「割高で急落しそうで怖い。」と感じて買わなかった株は、まだまだ上げ続けるものも多かったです。
これらの株は、チャートAやCの株のように、トレンドが出ていたのだと思います。
今ならトレンドに逆らってはいけないと思えるのですが、当時、そんなことは知る由もありませんでした。