私が負け続けていた頃のトレードを踏まえた、負けるためのトレード手法「その6」は、デイトレードに手を出していたことです。
平日は仕事なので、デイトレードはできないのですが、仕事が休みの日、お盆や年末は、喜々として普段したくてもできなかったデイトレードに没頭していました。
チャートをほとんど見たこともないド素人が板(気配値)だけを見てするテキトーなものです。
マグレで何回か勝つことはあっても、トータルでは勝てるはずもありませんでした。
損を出すことが嫌で含み損に耐えてしまうような「本能に従ったトレード」をしている状態では、絶対に損小利大にならないからです。
今思うと、あまりの無知と無謀さに言葉もありません。
チャートも見ずにデイトレードする人って私以外に一体どれぐらいいるのでしょうか(涙)。
特に、爆上げしているIPO株をみると、ついつい買ってしまっていました。
あっという間に大きく儲けられるという欲からなのですが、IPO株の値動きは半端ではありません。ちょっとでもロスカットをためらうと、とんでもない額の損が出て、どんどん資金が消えていきます。
ド素人の私が、トレードしていい株ではありませんでした。

ここからはもっと先の話になりますが、チャートやテクニカルをしっかり勉強して、スイングトレードで勝てるようになってからも、どうしてもデイトレードでは、勝てませんでした。
デイトレードは、1日の値動きでそれなりの金額を儲けようとするものであるため、多くのトレーダーが群がる売買代金が大きく値動きが激しい株を選びます。
次に5分足のチャートを見て、あらかじめ、どのポイントでエントリーして、どこでロスカット、利益確定するかのルールを決めます。さあ、これで準備完了です。
エントリーするポイントが来るまでひたすら待ちます。
とんでもなく激しい値動きを見ると、感情が揺さぶられます。
ルールが逆張りのときは「買ったら底抜けしてもっと下がるのではないか」、順張りのときは「買った途端下げ始めるのではないか」などと余計な想像が頭をよぎり、マウスのクリックを妨害します。
なんとかエントリーした後も、株価が上がれば「まだまだ上がりそうなのに、決めたポイントで利益確定してよいのか。もっと利益を伸ばすべきじゃないか」、利益確定ポイントの手前で急落し始めると「少ないけど利益確定してしおうか」と迷います。
株価が下がれば、決めたポイントでロスカットするだけで簡単なはずのですが、「ロスカットせずにもう少し待ったら値を戻すのではないか。」「損は嫌だ。」といった感情が渦巻き、クリックするのをためらいます。
あまりに急落すると、クリックすることもできません。
激しい値動きによって感情が揺さぶり続けられる中で、瞬時にルールを実行するのは、簡単そうで、本当に難しいものでした。
相当訓練しないと普通の人には無理だと思います。
なにより、海千山千のデイトレーダーは、人間の心理を揺さぶるプロであり、チャートを勉強してからの方が、本当の意味でのデイトレードの怖さ、難しさを実感しました。とても太刀打ちできません。

ここを超えたら一気に上がるはずのポイントを超えて上がりだし、「これは行った!」と思っても、そこから急落します。
割ったら一気に下がるはずのポイントを割ってロスカットした途端、急に上げ始めます。
チャートの定石をことごとく裏切る動きをするのです。かと思えば、チャートの定石どおりの動きをすることもあり、訳が分かりません。
ここに怒りや悔しいという感情が加わってリベンジトレードをし始めると、何度も負け続けて、とんでもない金額を失いました。
私が勝ち続けることができるようになったスイングトレードでは、市場が開いている時間帯に注文を出すことはなく、夜に明日の注文を出すだけです。
値動きに感情を揺さぶられることはないですし、冷静に判断する時間があります。
ロスカットにしても、あらかじめ逆指値で設定しておくため、ためらったり取り消したりすることもありません。
このように、デイトレードは、より厳格なトレードルールの遵守や感情のコントロールが求められ、相当難易度が高いと考えてよいと思います。