ここのところ、日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)などの海運関連株がとんでもなく上昇しています。
世界的な景気回復により海運会社の業績が急回復していること、それと大きいのが大幅な増配で配当利回りが10%を超えるようになったことが原因です。
7月から8月に発表された海運関連株の第一四半期の決算発表を見て好決算や増配を知った個人投資家が殺到し、例えば商船三井の株価は、7月末に5,500円程度であったものが、9月後半には倍以上の11,000円を超えるところまで上昇しました。
以前もお話ししたとおり、私は、決算発表直後に株価が急騰した時点での飛びつき買い(ジャンピングキャッチ)はしないルールにしています。
なぜなら、誰もが「これから株価が上がるはずだ!! 早く買わないと乗り遅れる!!」と思った株を買うのは、負け組一直線となることを知っているからです。
本能に基づくトレードや、皆と同じ考え方をしていては勝てないことをこれまでの3,000以上のトレードで嫌というほど経験してきました。
ところがです。今回の海運株の上昇は、決算発表直後にジャンピングキャッチしてもある程度のロスカット幅をとっていれば、30%程度は利益が得られたように思います(実際の相場の動きを見ていませんし、トレードもしていませんので、たぶんです。)。
私も海運関連株が急上昇していることを知った後に何度か買おうと思いましたが、一度も買うことができませんでした。
自分のトレードのルールで買えるチャートの形にならなかったことと、あまりに急騰したので一旦は調整したり下落するのではないかと考えたからでした。
急騰し続けている最中に欲に負けて我慢できずに買ってしまうと、うまくいかないことがほとんどでした。
株価が急騰中はボラリティが大きくなっていて、私のような小さなロスカット幅の設定で中途半端な位置でエントリーすると、簡単にロスカットされてしまいました。
トレードを確率で考えて実行している私としては、トレードできなかったのは悔しいですが、仕方ないこととして諦めるしかありません。
あくまで確率的に儲かるケースが多い手法を繰り返すことが大切であって、今回儲かったとしても、今後この手法を繰り返すとトータルでは損することになってしまいます。
このあと、海運関連株では、素人が本能的なトレードをしていては絶対に勝てない象徴的な出来事がありました。
上記の3社の海運関連株は、 9月末ごろに天井を付け、その後大きく下落した後、横ばいとなっていました。
その横ばい中の10月29日に商船三井の第二四半期の決算発表があり、更なる業績の上方修正と増配が明らかになり、直後に3社の株価は再度急騰しました。
その後、11月4日に郵船の第二四半期の決算発表を迎えます。
多くの個人投資家は、今回も好業績と増配が発表され、株価が急騰すると期待しており、10月30日以降も株価が上昇していました。
この日は12時に決算発表があり、私も12:30からの相場をリアルタイムで見ていました。
大方の予想どおり、好業績と増配が発表され、期待が膨らみます。
しかしです。10月29日の商船三井とは違い、午後の始まりは、なんと午前の終値より10%程度も大きく下落して始まりました。
商船三井の好業績を見て郵船を買った個人投資家は、郵船も好決算となり、その発表後に商船三井と同様に株価が急騰すると考えていたのでしょう。
しかし、相場はそんな簡単なものではなく、大衆が考えることは実現することはありません。
多くの個人投資家は、郵船の好決算と増配を的中させたにも関わらず、損することになったと思われます…
好決算&増配となっても株価が激下げする…。いかにも相場らしいですね。