順張りのスイングトレードで勝てなかった理由、その四つ目は、絶えず、ポジションを持っていたことです。
先程述べたように自分のルールが相場の状態に合わないときには、いくらトレードを繰り返してもうまくいきません。
うまくいかないのに意地になって何度もトレードを繰り返すとどんどん損が膨らみました。
相場の格言に「休むも相場」というものがあります。その月の負けが一定額を超えたら、その月はこれ以上損を増やさないようトレードを中断することも必要です。
相場が難しいときは、ポジションを小さくするか、トレードを休む。これが大切なのですが、全く理解できていませんでした。
むしろポジションを大きくして負けを一気に取り返そうとする、いわゆるリベンジトレードを繰り返していました。
相場全体が上昇トレンドになっている勝ちやすいときに儲ける。
下げトレンドであったり、横ばいのときには、無理をしない。
勝てるに越したことはないですが、勝てないにしても負ける金額を少なくするよう心がけることです。

五つ目は、教科書どおりのトレードをしていたことです。
これまで書いたように相場というのは、海千山千のトレーダー相手の戦いの場です。
全く勉強しないまま本能だけでトレードしたり、ロスカットできず長期間塩漬けするのは論外ですが、普通に勉強して、教科書どおりのトレードをすることは屈強なトレーダーの格好の標的となるだけです。
本能や教科書どおりのトレードは、相場を動かすことのできる大口トレーダーに全て読まれていて、その裏をかかれると考えてよいと思います。
だからこそ、個人投資家の9割以上が負けているのです。
勝つためには、大衆と同じ手法、同じ心理でいてはダメなのです。
個人投資家は、「自分が買いたいと思ったときに売り、売りたいと思ったときに買え」と言われます。9割以上が負けるということは、その逆をやれば9割以上が勝てるということです。これだけ相場の値動きの逆の逆を行くのが素人の投資家なのです。

六つ目は、エントリーするときの売買代金(出来高)を意識していなかったことです。
エントリーする株を選ぶ時には、1日の売買代金が最低でも5億円などのルールを決めたのですが、エントリーする日の売買代金がどうなっているか考えることはありませんでした。
株によっては、これまでよりも売買代金が増えてきているものや、だんだん減ってきているもの、だいたい一定しているものなどがあります。この売買代金が持つ意味というものを理解していませんでした。
売買代金が増加しながら大きく株価が上がっているものは、多くのトレーダーが殺到し熱狂しながら買っていたり、大口のトレーダーが買っていることが想像できます。大きな売買代金で株価が急落しているものは、多くのトレーダーが恐怖で投げ売っていたり、大口のトレーダーが売っていることが想像できます。
こういったトレーダーの心理や大口トレーダーの動向を考えながらトレードすることはありませんでした。