雑誌やインターネットでは、「この会社は大きく成長し、株価の上昇は間違いない!」「株価が下がっている今が絶好の買い場!」「仕手筋は今この株を狙っており、株価が急騰する。目標株価〇〇円!」といった特定の株を推奨する記事があちこちで見られます。
自分で選んだ株で勝てないことが続いて途方に暮れているときに、株で儲けていると自称する有名個人投資家のブログで「私は今この株を買っている。この会社は〇〇なところが素晴らしい」といったもっともらしいことが書かれていると、つい、「自分もその株を買ってみよう」となっていないでしょうか。
その会社の財務や決算などの数値を挙げて解説されていると、なおさら「有望な会社じゃないか!」と思ってしまいます。

しかし、他人の推奨には、「自分が買っている株の株価を吊り上げて売り抜けたい。」といった思惑が働いているケースが少なくないと考えます。
私は、昔、有名個人投資家のブログで推奨されていたバリュー株を買って大損したことがあります。
今でも忘れられない痛恨のミスです。
推奨前日まで、この銘柄は出来高も値動きもほとんどなかったのですが、おそらくブログを見た人(私を含む)が買おうと殺到したのでしょう。
推奨翌日には、ギャップアップして株価が暴騰し、私は、かなり高い価格で買ってしまいました。
その後、株価は、一度も買値に戻ることなく見事に下がり続け、3分の1になった時に耐え切れずに売ってしまいました(今でも買値まで戻っていません)。
今思えば、そのブロガーは、1単元100万円以上と株価が高くて出来高の少ない株を選んだ上で、推奨前に買っておき、推奨翌日に買いが殺到した際に売り抜けたと想像できます。
古典的な方法かもしれないですが、当時の私は全く気付きませんでした。
むしろ、いい情報が得られたと感謝したぐらいでした。

相場には、お金を儲けるため、様々な方法を使って他人を利用しようとする人が無数にいます。
私を含む一般人には、「この株は確実に儲かる。」といった情報は絶対に入ってきません。
世の中そんなに甘くはありません。
他人のあなたにおいしい情報を提供する理由がありません。
たとえそれが有料の情報であったとしてもです。
株価が上がることが分かっているのであれば、自分で買っておけばいいだけです。
それなのに、わざわざ他人に情報を提供するのは、他人に買わせたいのです。
相場では、無知ではお金を失います。