今回からは、また、株で負け続けていた頃のトレードの変化の話に戻ります。トレードの変化の第5段階ですが、ここからが勝ちにつながる勉強を始めた時期になります。
株を始めて5年以上、いろいろな手法を試しても一向に勝てるようにならず、だんだんあきらめの境地になっていました。
しかし、ある本を読んで、今の自分は、チャートを全く使いこなせていないことに気づきました。
チャートやテクニカルをきちんと勉強し、チャートを使ったシステムトレードを試してみようと思いました。
昼間に仕事をしている私にはデイトレードの余地はないので、数日~数週間での株価の変動による利益を狙うスイングトレードにしました。
手始めに、ローソク足を使った分析や売買手法で有名な酒田罫線法について勉強しました。そのほかにも、テクニカルを使ったトレード手法を本やネットで一通り勉強しました。
中でも「定本酒田罫線法(林 輝太郎 著)」は、とても勉強になる本でした。
何の知識もなかった私にもわかりやすく、チャートやローソク足の意味がよく理解でき、目からウロコでした。

「ローソク足でこの足組が出たら、次の日は株価が上がる」「こういうチャートの形は株価が下がる」というように、将来の株の値動きを自分なりに予想できるようになって、「よしよし。今度こそ勝てるようになるんじゃないか」と期待が膨らみました(悲しいがな、勝てるようになるのは、まだまだ先のことなのですが…)。
次に、トレードのルールを決めました。ルールは5点です。
「どのような株を選ぶのか」
「どのくらい資金を投入するのか」
「どのようなチャート形状のものを選ぶのか」
「いつエントリー(買う)するのか」
「いつロスカットや利益確定(売る)するのか」です。

トレードする株は、1日の売買代金が少なくとも5億円~10億円程度あるものとしました。
いつでも自分が売買したい価格でトレードできること、多くの人が売買することによりテクニカルが機能することが理由です。
かつてバリュー投資をしていた時の経験なのですが、人気のない中・小型株は、「板が異常に薄い(指値注文がほとんどない)」、「売買代金がなく株価があまり動かない」ものが多いのです。
例えば、下のような気配値にギャップがあるものが珍しくありませんでした。例えば、600円の下は599円ではなく、590円と10円もギャップがあります。その下は15円のギャップです。
この株を1,000株買っていて600円から成行で売ろうとすると、安いものでは540円でしか売れません。わずか60万円分売ろうとするだけで株価を10%も下げることになります。売る気にならないですよね。
恐ろしいのは、相場が見られないため、あらかじめ600円割れにロスカット注文(599円に逆指値売り)している場合です。もし、誰かが590円で売って逆指値が発動すると、575円から下で1,000株がロスカットされることになります。これでは、あらかじめロスカット注文していても、損を小さくできません。
売数量 | 気配値 | 買数量 |
100 | 644 | |
100 | 620 | |
300 | 610 | |
100 | 602 | |
600 | 200 | |
590 | 100 | |
575 | 100 | |
560 | 200 | |
554 | 100 | |
545 | 100 | |
540 | 200 |
また、私が430円で買ったバリュー株は、数か月間ずっと400円~460円でうろうろしているだけで、1日の売買代金が3,000万円もあれば多い方でした。
下のチャートを見てください。点がたくさんありますよね。一日に取引された株価がひとつしかない日です。
こういう株は、1,000万円ぐらい持っている個人投資家が信用取引を使えば、簡単に株価を操ることができてしまい、テクニカルもへったくれもありません。
場合によっては、一部の投資家の都合や思い付きで株価が大きく変動してしまいます。

余談ですが、これまでは名前を聞いたことのある有名な会社の株しか買いませんしたが、ルールに合っていれば、会社名は無視しました。決算や財務の状況も気にしないようにしました。
かつて株を保有していた会社が倒産して、株が紙くず同然となったことを経験していたので、「この会社聞いたことないけど、大丈夫かな。突然倒産するんじゃないか」「決算が悪かったのに買っていいのか」といった不安がありました。
しかし、スイングトレードは、短期間しか株を保有せず、一時的な値動きを利用して儲けるものなのだから、どちらも関係ないと割り切りました。
次に、保有するポジションは、証券口座に入れた資金の30%~50%を上限とすること、1銘柄に投入するのは資金の15%を上限とすることにしました。
これまでは、常に口座にある全額を使ってポジションを保有していましたが、相場全体の暴落や、倒産などによる個別株の急落に備えてリスクを小さくするため、厳格な資金管理を行うことにしました。
長くなりましたので、残りの3点は、次回にします。